[日文]人间失格 作者 太宰治-第17章
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す。あなたこそ、お若いわ」「とんでもない、子供がもう三人もあるんだよ。きょうはそいつらのために買い出し」などと、これもまた久し振りで逢った者同志のおきまりの挨拶を交し、それから、二人に共通の知人のその後の消息をたずね合ったりして、そのうちに、ふとマダムは口眨蚋膜帷ⅳⅳ胜郡先~ちゃんを知っていたかしら、と言う。それは知らない、と答えると、マダムは、奥へ行って、三冊のノ去芝氓取⑷~の写真を持って来て私に手渡し、「何か、小説の材料になるかも知れませんわ」と言った。私は、ひとから押しつけられた材料でものを書けないたちなので、すぐにその場でかえそうかと思ったが、(三葉の写真、その奇怪さに就いては、はしがきにも書いて置いた)その写真に心をひかれ、とにかくノ趣颏ⅳ氦胧陇摔筏啤ⅳ辘摔悉蓼郡长长亓ⅳ良膜辘蓼工⒑晤畏丐魏韦丹蟆⑴哟螭蜗壬颏筏皮い毪窑趣渭窑颏创妞袱胜いⅳ葘い亭毪取ⅳ浃悉晷伦∶裢尽⒅盲皮い俊rたま、この喫茶店にもお見えになるという。すぐ近所であった。その夜、友人とわずかなお酒を汲《く》み交し、泊めてもらう事にして、私は朝まで一睡もせずに、れいのノ趣苏iみふけった。その手記に書かれてあるのは、昔の話ではあったが、しかし、現代の人たちが読んでも、かなりの興味を持つに摺い胜ぁO率证怂饯喂Pを加えるよりは、これはこのまま、どこかの雑誌社にたのんで発表してもらったほうが、なお、有意義な事のように思われた。子供たちへの土産の海産物は、干物《ひもの》だけ。私は、リュックサックを背負って友人の許《もと》を辞し、れいの喫茶店に立ち寄り、「きのうは、どうも。ところで、……」とすぐに切り出し、「このノ趣稀ⅳ筏肖椁Jしていただけませんか」「ええ、どうぞ」「このひとは、まだ生きているのですか?」「さあ、それが、さっぱりわからないんです。十年ほど前に、京橋のお店あてに、そのノ趣刃凑妞涡“亭椁欷评搐啤⒉瞍烦訾啡摔先~ちゃんにきまっているのですが、その小包には、葉ちゃんの住所も、名前さえも書いていなかったんです。空襲の時、ほかのものにまぎれて、これも不思議にたすかって、私はこないだはじめて、全部読んでみて、……」「泣きましたか?」「いいえ、泣くというより、……だめね、人間も、ああなっては、もう駄目ね」「それから十年、とすると、もう亡くなっているかも知れないね。これは、あなたへのお礼のつもりで送ってよこしたのでしょう。多少、誇張して書いているようなところもあるけど、しかし、あなたも、相当ひどい被害をこうむったようですね。もし、これが全部事実だったら、そうして僕がこのひとの友人だったら、やっぱり脳病院に連れて行きたくなったかも知れない」「あのひとのお父さんが悪いのですよ」何気なさそうに、そう言った。「私たちの知っている葉ちゃんは、とても素直で、よく気がきいて、あれでお酒さえ飲まなければ、いいえ、飲んでも、……神様みたいないい子でした」
底本:「人間失格」新潮文庫、新潮社
1952(昭和27)年10月30日発行
1985(昭和60)年1月30日100刷改版入力:細渕真弓校正:八巻美惠1999年1月1日公開2004年2月23日修正青空文庫作成ファイル:このファイルは、インタ庭氓趣螄頃^、青空文庫(aozora。gr。jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
(完)